【Three Primaries】Vol. 20 MC・ナレーター 金子菜々美 さん

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【THREE PRIMARIES】VOL. 20 MC・ナレーター 金子菜々美 さん

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「Tint」とは「淡く染める」こと。でもそれは、パフォーマー自身が持つ色彩に重ねてこそのものです。【Three Primaries】は、TintRoomのパフォーマー自身が持つ三原色=「心(Mind)・技(Skill)・体(Competency)」に迫る、Tintインタビューシリーズ。第20回は、MC・ナレーターの金子菜々美さんです。

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金子菜々美の「心」:

替えのきかない「個」としてのやりがいを求めて独立



新卒で入社した会社で声の仕事に出会いました。業務のひとつ「館内アナウンス」がとても楽しかったんです。研修やコンテストなどスキルを磨く場もあり、そこで褒めていただけたこともモチベーションになりました。

ただしアナウンサー志望だったわけではなく、その後転職したのもイベント制作会社です。プロデューサーの下につき、アシスタントとして資料や台本の制作、現場の進行管理などを担当しました。

イベント制作の全貌を知ったのはこのときです。「こんなに事前に準備されているのか!」「こんなに細部まで計算されているのか!」「こんなにたくさんの方が関わっているのか!」と大きな衝撃を受けました。大げさかもしれませんが、人生を賭けてイベントをつくっているプロデューサーたちのそばで一緒に働けたことは、とても貴重な経験だったと思います。意見を求められてもそこまで考えきることができず、「本気で仕事してるのか!」と怒られたこともありましたが、この仕事を通じて「細部にこだわるからこそ全体としての完成度が高まり、自身の達成感にも繋がるんだ」と学びました。

イベントでしゃべるMCの存在を知ったのもこのときです。さまざまな現場に関わり、いろいろなMCさんのお仕事を拝見していく中で、憧れの気持ちが大きくなっていきました。リハーサルでMCの代役としてしゃべっていたときに「本物のMCだと思った!」と言われたのも嬉しくて、MCを本業にしていきたいと思うようになりました。

ただ、会社を辞めたのはMCについて習うよりも前(笑)。思い立ったらすぐ行動しちゃうタイプなので、やりたいという気持ちと根拠のない自信だけを胸に独立を決めました

そのため、MCについて本格的に習いはじめたのはその世界の厳しさを知ってからでした。事務所に登録しても実績がないので仕事が決まらず、コンパニオンなどイベントに関わる他の仕事で生計を立てていた時期もありました。でも、それではやはりMCとして見てもらえません。MCの仕事の話があっても、既存の仕事でスケジュールが埋まっていて対応できないことも多く、チャンスを無駄にしているのではないかと思うようになりました。

そこで、まずはじめにコンパニオンの依頼に対して「MCコンパニオンではどうですか?」と提案を交えて返答するようにしてみたんです。コンパニオン業務とMC業務を兼任するので仕事としてはハードになりますが、マイクを持って現場に立てることが何より嬉しかったです。そうしているうちに実績ができて、現場でも評価いただけたことで、MC単独でのお仕事をいただけるようになっていきました。MCの仕事のおもしろさは、やはり個として認めていただいている感覚があること、個として返ってくるものがあることだと感じています。

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金子菜々美の「技」:

目標達成のため、日々の行動を記録して改善する



MCの仕事だけで生計を立てられるようになり「やっとスタート地点に立てた」と思っていた矢先、コロナ禍でイベントがすべて中止になってしまい、MCとしての仕事がもなくなってしまったんです。そのときにエントリーしたのが「ミス・アース・ジャパン東京」でした。

正直、参加するまではミスコンに対してネガティブな印象や偏見を持っていました。でもミス・アース・ジャパンに出場経験のある知人が、そこで出会った人と一緒にボランティア活動をしているのをInstagramで見て、そういった出会いがあることは素敵だなと感じたんです。それに「この機会を逃したら、一生私は変わらないままなのではないか」という不安もありました。もっと自分磨きをしたいし、見た目も中身も変わりたい。グランプリをとりたいというよりも、「大会への出場を通して自分自身が変われたら」という思いの方が大きかったと思います。

ファイナリストに選ばれてからは、本大会までの数か月間食事制限と運動を徹底しました。ただし出場して終わりではなく、大会はあくまで通過点としてその後も維持できる状態をつくり、意識から変えるつもりで臨みました。その意識があったからこそ体形、行動、そして習慣まで変えることができたのだと思います。

中でももっとも大きく変化したのは考え方です。はじめは他のファイナリストの方々の肩書や活動ぶりにショックを受け、「今まで自分は一体何をしてきたんだろう…」と何者でもない自分を思って落ち込むことも多々ありました。でも後悔していることは何もないし、すべてが今の人生につながっている。それなら私はこれから何ができるだろう、何が強みなんだろう、何が人としての魅力になるんだろう。そうやって考え方を切り替えたら、自分自身を受け入れられるようになったんです。

その切り替えができた理由のひとつには、「一度目標を決めたら達成しないと気がすまない」という私自身の性格もあるかもしれません。やったことを日々記録して振り返り、一日も無駄にしまいと律することができたのも大きいと思います。実は昔から自己改善のために思っていることをノートに書き留め、それを定期的に見返すようにしてきました。こうすることでやった分だけ成果が出ていることを可視化でき、それが自信やモチベーションにつながって気持ちよく継続することができるんです。

実際にミス・アース・ジャパンに参加してみて、やはり環境問題への意識の高さや実践的なインプットが印象的でした。ウォーキングのレッスンはもちろん、環境活動をされている団体の方のお話を聞くこともできるので、学びを深めることができたと感じています。自分ゴトとして考える機会をいただけたからこそ、今主催している「浅草エシカルプロジェクト」の活動にもつながっています。ミス・アース・ジャパンに出場してから3年が経ちますが、現在も継続してごみ拾い活動をしたり、店舗や企業とコラボレーションしてエシカルな体験をしてもらうイベントを実施したりしています。

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金子菜々美の「体」:

チームとして向き合い、表に立つ唯一の裏方としてその声を代弁する



ミス・アース・ジャパンへの出場によって「ミス・アース・ジャパンに出場した金子さん」という肩書ができ、実際にそれで仕事の幅が広がったという側面はあります。ただしそれ以上に、一個人として人や地球にやさしい商品やサービスに関心を持つようになり、惹かれるようになったという変化の方が大きいかもしれません。

先日、環境問題に配慮したプロダクトの展示会「エコプロ」でブースMCを担当させていただいたのですが、やはり自分自身が興味を持っているテーマだからこその楽しさがあり、お客さんの反応を間近で感じられることがとても嬉しかったんです。私自身も肩書だけでなく行動としての積み重ねがあることで、少しは商品紹介の説得力を増すことができたのではないかと感じています。

やはりMCは依頼元の企業の代弁者でもあるので、台本の言葉をただ読むだけではいけません。綺麗に読むことはもちろん、企業の方々の思いや温度感をくみとって言葉に乗せて伝えていくことが重要です。ここは行動としての積み重ねに加え、スキルとしてももっともっと磨いていきたい部分ですね。

また、「現場の空気感をつくるのもMCの仕事」だと考えています。「現場は生もの」と言われる通りいろいろなことが起こりますが、その時々の状況をプラスの印象で終えられるかどうかは、MCの振る舞いにかかっている部分もあるのではないでしょうか。

それらすべてを支えるのは、現場でのコミュニケーションだと思っています。MCは現場ではじめて会って台本を読んだらおしまい、のように思われることもありますが、私は「表に立つ唯一の裏方」だと考え、チームの一員としてのコミュニケーションを心がけています。アクシデントがあっても、チームと信頼関係が築けていればみんなで協力して対処できると思うんです。

今はコロナも落ち着いてお仕事が戻ってきているので、まずはいただいているものを全力でやり切って、次へとつなげていければと思っています。ミセス・グローバル・アースの記者会見でご一緒した橋本マナミさんも「チャンスはいつ訪れるかわからない。待つのではなく、いつ来ても大丈夫なように常にベストな状態を整えておくことが大事。」とおっしゃっていました。常に自分がベストパフォーマンスを出せるように意識すること。それを胸に留め、今後も頑張っていきたいですね。

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金子菜々美にとって、「パフォーマンス」とは?



パフォーマンスとは「表現を通して人の役に立つこと」で、私の場合はそれが声を使ったMCやナレーションです。自分の声で人の喜ぶ顔をつくれたり、関わってくださる方に喜んでいただけたりすると、生きていてよかったなと感じます。人の役に立つってとても幸せなことで、それを自分の好きな仕事を通じて果たせるなんて夢のよう。だからこれからもずっとパフォーマーでありたいですね。


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インタビュアーコメント

イベント制作会社での裏方経験があるからこそ、表に立つMCとしてだけでなくチームの一員として貢献することを志している金子菜々美さん。そのために着々と自己改善を重ね、活躍の幅を広げられています。是非、金子さんへのご依頼をお待ちしています!

(Interview&Text:Shiho Nagashima

金子菜々美 Tint Room

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ミス・アース・ジャパンエリアパートナーHP公式

ミスコンテストへの挑戦で、自分のステージを1段上に持ち上げた、金子菜々美さん。素晴らしいとしか言いようがございません。

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