【Three Primaries】Vol.12 まかりな さん

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【THREE PRIMARIES】VOL.12 双子タレント☆まかりな☆ さん

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「Tint」とは「淡く染める」こと。でもそれは、パフォーマー自身が持つ色彩に重ねてこそのものです。【Three Primaries】は、TintRoomのパフォーマー自身が持つ三原色=「心(Mind)・技(Skill)・体(Competency)」に迫る、Tintインタビューシリーズ。第12回は、双子タレントでイラストレーターのまかりなさんにお話をうかがいました。姉のかなさん、妹のまりさんお二人へのインタビューです!

まかりなの「心」:

絶対に裏切らない存在と、一緒にできる仕事をしたい



まり:
小さい頃から絵を描くのが好きで、よく新聞のチラシの裏に絵を描いていました。将来は絵を使った仕事をするのだろうと、ぼんやりと思っていましたね。色々と調べていくうちに「デザイナー」という職業があることを知って、地元熊本にあるデザイン専門学校へ通うことにしました。

かな:
そのまま二人ともデザイナーになって別々のデザイン事務所で働いていたんですけど、机に向かって独りで作業するのは思いのほかしんどくて!それで、もともと人前に出ることが好きで、地元でモデルをやっていたこともあり、「東京でもモデルやっちゃう!?」っていうノリで二人でホリプロタレントスカウトキャラバンを受けたんです。なぜか私だけ書類審査を通ったんですけど、オーディションにまりを連れていったら「二人でやっていいよ」と(笑)。途中で落選はしたものの、事務所の方から「面白かったから、二人で芸人にならない?」と連絡を頂いて、そんな道もあるんだな!とお笑いの世界に入りました。

まり:
でもネタづくりが全然できなくて。そしたら、「双子の女の子がお笑い芸人を目指す」という企画でテレビ局の方が作家さんをつけてくれたんです。ネタも作っていただけて、すぐテレビに出られたものだから、「テレビに出るって簡単!」と思ってしまいました(笑)。

だけど、やっぱりそんなに甘くはないってすぐに気が付きましたね。ネタ作りもかなり時間をかけてブラッシュアップして作ったし、練習も夜中の公園で毎日朝4時まで練習していました。単独ライブも大阪や東京で積極的にしていました。それでも売れるって難しいんですよね…。

でも、そんな時に絶対に一生裏切らない存在が隣にいるのは、双子で良かったこと。皆独りで戦っているじゃないですか。でも私たちは二人で戦える。得していると思いますね。

私はやらなくちゃいけないことをやらされる勤勉タイプで、お笑いのネタ作りは私の担当。姉は反対に、後先考えずに行動しちゃうタイプですね。

かな:
妹は私に石橋を叩かせて渡るんですよ(笑)。私の役目は、最初に道を切り拓いて、自分は捨て駒でもいいから、妹を成功させること。テレビで言えば、私はカットされてよくて、妹が使われればいい。どちらかが成功すればいいという考え方です。違ったな、という時はまりに軌道修正させられるけど、やっぱり二人で一緒にやりたいから、まりの意見を聞きますね。

そもそも芸人を10年続けられたのは、二人で一緒にできる仕事だったから。それには芸能界しかないと思っていたんです。会社でデザイナーをやっていた時は、独りでもくもくとやらなきゃいけないのが辛かった。著名な占い師の方にも「二人はオーラが八の字を巻いて絡みあってる。独りだと追い詰められちゃうから二人で良かったね」と言われました(笑)。

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まかりなの「技」:

気負わずに、もらった助言を受け入れてみる



まり:
お笑いをやっていた10年間、ほとんど友達と遊ぶこともなく、彼氏も作らず、一切プライベートはありませんでした。それでも売れなくて、本当に厳しい世界。反応がわかるまでずっと不安でしたね。他のお笑いの方のネタを書き起こして研究したりもしていました。ブラックマヨネーズさんやサンドイッチマンさんなど、M-1グランプリ優勝者はだいたいやりました。

ただ、デザインが出来ることは役に立ちました!神奈川県警のイメージキャラクターを4年間務めましたが、デザインが出来てイラストも描けたからポスターの依頼を頂けたし、地域のイベントでは似顔絵やイラストで交通安全のネタもさせていただきました。ずっとイラストを描いていたので、芸人としての活動の中でもデザインとイラストは常に隣合わせでしたね。

かな:
お笑いとイラストの共通点は「伝える」というところかな。「分かりやすく伝える」は私のテーマでもあって、常に意識していますね。イラストなら、クライアントの会社の方が伝えたいことを、私たちが代わりに伝えてあげるのが仕事。すぐに人が笑顔になってくれて、すぐに反応がわかるところも似てますね。わかるから、認められてる!って思えるし、これで良かったんだって思えるんですよね。

どちらも大切なのはフリとオチ。それは、お笑いをやっていたからこそ出てくる発想なのかなって。

まり:
イラストの仕事でも、よく「ネタを考えてくれるの嬉しいです!」と言われるんです。「ネタ作りから入ってほしい」「ここ悩んでるのでお任せします」ということも多いんですが、それは全然苦ではないですね。

そもそもイラストを仕事にしようとはじめたのは、作家さんからの仕事の紹介がきっかけ。最初は不安だったけど、やれることに気づいたんです。少し前に漫画家デビューしたんですが、それも番組でご一緒した方が「二人は漫画家になったほうがいいよ!」と雑誌社に声をかけてくれたところから。だいたい誰かの助言がチャンスに繋がっているんです。

ただ、受け入れるのに時間がかかったものもあります。婚活漫画も、最初は番組スタッフに「双子の婚活マンガやってみたら?」と言われたのがきっかけで、「いやいや、自分の赤裸々な婚活って恥ずかしい…!」って感じでしたし(笑)。でも、意識しているからなのか、徐々に「恋愛漫画が面白い」っていう声が聞こえてくるようになったり、パーツが揃ってくるんです。小さな一言をどれぐらい集められるか、その助言を受け入れるかどうかはその人次第なんですよね。それに気負いすぎないほうが上手くいくんです。

でも正直、芸人をやってる時はかなり無理していましたね。笑わせなきゃ、頑張らなきゃって10年間ずっと思っていました。それが、30歳になったら急に周りの目が優しくなるのを感じて。だったら、もっと自由にやっちゃおう!もっと好きなことをやろう!って。

おかげで今は気負わずに出来ているし、舐められてもいいと思っています。馬鹿にされた方が実は勝ちなんですよね!「そんなこと無理だよ」ってバカにされてるほうが、例えば「そうなんです、無理なんです…だから、婚活の面白いネタが欲しいんです!」って言えるんですよね。下手に出るほど、助けてもらえるチャンスが増えるし、アドバイスをもらいやすい。40歳になった時に見栄張ってたりプライドだけ高かったら、ダサく感じちゃいますね。

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まかりなの「体」:

面白く伝えることで、悩みを成仏させてあげたい



まり:
人生のテーマは「面白く人に伝える」こと。悩みは皆持っているけど、例えば私が漫画で「こう考えたらもっとハッピーじゃない?」と伝えることで、救われる人がいたらいいなと思います。

正しいことを言っていないのが漫画の魅力なんですよね。正しさは有難いものだけど、やっぱりしんどい時もある。だから、例えばそれを違う形でみせてあげたら、皆素直になれるんじゃないかなって。悩んでいることを成仏させる、そういう漫画を描きたいですね

私はもともと恋愛漫画が苦手だったんです。でも恋愛の中にギャグ要素が入っている『ルナティック雑技団』のおかげで、「恋愛って面白いものなんだ!」て思えたんですよ。私の漫画もそういう風に、誰かの何かのきっかけになれたらいいなと思っています。

かな:
私は、ストレートに伝わるデザインをやりたいなと思っています。「ハングリー」という作品があって、セクシーな格好をした女性が大きなハンバーガーの上に座っているもの。私は「ハンバーガーが美味しそうだから『ハングリー』」なのかと思ったんですけど、とある先生に「男性はこれを見たら女性を『食べちゃいたい』って思うんじゃない?」って言われた時に、すごく面白いなと思ったんですよね。

自分の好みとしては、毒っ気のあるものが好きです。お仕事として描く絵柄と、自由に描く絵柄がかなり違いがあるんですよね。やっぱり、好きな絵柄で描く領域を増やしていきたいなという思いがあります。

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まり:
実は、結構夢は叶ってきているんですよね。テレビに出たいとか、警察のイメージキャラクターをやりたいとか。自分は漫画家になりたかったんですけど、それも今度WEB連載が決まって、書籍化も視野に入れて動いています。

あとはキャラクターですね!自分たちのオリジナルキャラクターがグッズになったり、コラボカフェになったり、アニメになったりしていくのが夢です。既にコンセプトは決めていて、ぬいぐるみのネコとリスの双子という設定。まだまだフォロワー70人なんで何年かかるかわからないけど、それも叶えたいですね!

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まかりなにとって、「パフォーマンス」とは?



かな:
「パフォーマンス」は、人に伝わって初めて成立するものだと思っています。勝手にやっていても、伝わらなかったら意味がない。新しいオリジナルキャラクターはすごく不安ですが、いつか人に伝わるはずだと信じて毎日更新しています!

まり:
一番は「素直でいること」かなと思います。パフォーマンスは、素直に自分が楽しいものをやるべきだし、だからといって一人よがりでやるのも違う。周りからのアドバイスは素直に受け入れたいし、見てくれている人との見えない会話を大切にしたいですね。

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インタビュアーコメント

インタビュー中も本当に息ぴったりだったまかりなさん。「二人で出来ることを仕事に」という選択をしたことが、今の活躍へと繋がっているように感じました。様々な声に耳を傾けて吸収していくことで、これからもどんどん夢を実現していってほしいですね!

(Interview&Text:Shiho Nagashima



☆まかりな☆
KADOKAWA さんにてWEB漫画連載中!
「私、人生の相方が欲しいだけなんです!」
kadokawa

毎週金曜日20時更新予定!

まかりな Tint Room

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