【Three Primaries】Vol.8 加賀見洋平 さん へ インタビュー

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【THREE PRIMARIES】VOL.8 加賀見洋平 さん

interview47 「Tint」とは「淡く染める」こと。でもそれは、パフォーマー自身が持つ色彩に重ねてこそのものです。【Three Primaries】は、TintRoomのパフォーマー自身が持つ三原色=「心(Mind)・技(Skill)・体(Competency)」に迫る、Tintインタビューシリーズ。第8回は、TintRoomの“みんなのマネージャー”加賀見洋平さんにお話を聞きました!

加賀見洋平の「心」:

「誰かをほんの少し後押しする」喜びから始まったTintRoom



スマートブリッジ(TintRoom運営会社)を立ち上げてから今年で7年経ちます。印刷会社で営業をやっている時に、現在の代表に声をかけてもらいました。「新しいことをやってほしい」というのが理由で、それでは通販事業をやろうということで通販サイトSweetintを始めました。

Sweetintを始めてしばらくして、葛飾FMでラジオコメンテーターを務めるようになりました。そこで番組のゲストたちから「ホームページを持っていない」と聞き、Sweetint上に紹介ページを作ってみたんです。そのことを喜んでもらえたのが嬉しくて、出会う人たち皆に「紹介ページを作るよ!」と謳い始めたのがTintRoomの原点。事業化しようという考えはまったくありませんでした。サイトを分けたのも、紹介ページから突然通販サイトに飛ぶ仕様があまり宜しくないという構造上の問題が大きいですね(笑)。徐々に「登録したい」「人を紹介してほしい」という声が増えてきたことで、この方向に進もうという気持ちが固まりました。「人と人を繋いでいく」というコンセプトは、会社のテーマだし社会貢献でもあるし、単純に面白いなと感じたんです。

TintRoomのサービス名は私がつけたものです。「Tint」とは「染める」という意味。「誰かをほんの少し後押しする」という、やりたいことのコンセプトに合う単語を探していく中で出会いました。よく芸能事務所なのかと聞かれますが、タレントを囲う事務所に対し、私たちTintRoomはコンセプトが異なります。ちょっとだけ後押しする、ちょっとだけ染めてあげて、コントラストを強くしてあげる。本音を言うと、「それぐらいのことしか、自分たちには謳えないのではないか」という怖さもありました。基本的には自分一人で動いていたので、自分のやりたいことであり出来ることを「Tint」という言葉に込めました。

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加賀見洋平の「技」:

自ら武器を作り、小さな変化を生み出していく



前職の印刷会社はとても技術力があり、その技術を持っていけば売れるような会社でした。そうした「最強の武器」を持って戦うのが好きだったし、得意だったので、知見もない通販事業をやることになり、武器がまったく無い状況に苦労しました。「これまでのように、武器のある場所でのし上がる方が自分には向いているのに…」と、とても葛藤しましたね。

そうしたこともあり、始めた頃のSweetintは刹那的なイベントや、小さな打ち上げ花火のような取り組みが多く、積み上げていく感じはありませんでした。だからふと不安になるんです、俺は何をやっているのだろう、と。半ば引き抜きのような形で入社し、ある意味特別枠で給料もそこそこいただいてるのに、何も生み出せていないことと何度も闘ってきました。

葛藤を続ける中で、一心不乱にただ何でもやるのではなく、武器となるものを自分で考えて作っていく必要があると学び、始めたのが写真です。通販の仕事上、モデルさんで使用イメージ写真を撮る必要がありますが、カメラマンにお願いできる予算がなかったため、自分で撮るようになったんです。本来はプロにお願いすべきなのでしょうが、「極力自分でやる」というのが当時の自分の考えでしたね。でも、自分で撮ったものを見たら「さすがにこれではダメだ!」と。Sweetint立上げ当初のページは、今思うと本当にびっくりする出来ですよ(笑)。

それでも、撮影したモデルさんの写真を置くだけで一気にサイトが華やかになったことは、とても衝撃的でした。そこから徐々に、強い武器への憧れよりも、「小さな変化を楽しみたい」という気持ちが芽生えてきたんです。同時に、そうしたモデルさんやダンサーさんなどと知り合う機会が増えていく中で、「“その人”を必要としている人に、“その人”を繋ぐことが出来れば、喜んでもらえる」という感覚が掴めたことも、TintRoomに繋がっていきます。

TintRoomの事業は基本的に数の勝負なので、パフォーマーの登録者数を増やすフェーズが必要です。そのために身につけていったのが、照明や音響などの制作スキル。1つのイベントに対して自分たちの関われる範囲が広がれば、もらえるキャスティング枠も増える。そこに様々なパフォーマーをキャスティング出来れば、活躍できる人も増える。TintRoomとしては、登録者数や案件数だけでなく、「何人のパフォーマーを動かすことが出来たか」も大切な指標にしているので、照明や音響は「やりたいこと」というより、キャスティングの機会と自由のために狙いを持って身につけたスキルなんです。他の事務所のマネージャーさんと一番違うポイントかもしれません。

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加賀見洋平の「体」:

パフォーマーを支え、自らをアップデートし続ける“プロ”へと導く


印刷会社では成績もよく「俺は営業なら出来る!」という自尊心を持っていましたが、こっち(スマートブリッジの親会社)に来て、代表からたくさんダメ出しされて変わりました。狭い世界しか見えていなかったんです。戦うフィールドが狭く、勝てる場所にしかいかないのに、その中で「自分はイケてる!」と思ってしまうタイプ。当時は他人にはほとんど興味がありませんでした。

TintRoomをやっていく中で、そうしたいわゆる「バカの壁」が取り払われたら、360度わからないこと、出来ないことだらけ。それで、自分の居場所を作る旅に出た感覚です。TintRoomには私自身のページもあり、その存在に救われています。そこにページがあることで、「俺はこうなんだ!」と感じられる一つの居場所になっているんです。

パフォーマーの皆さんにも、そういう風にTintRoomを使ってほしいですね。SNSのように流れていくものではなく、ストックする場所が必要ではないでしょうか。どこかで活動を目にした人は、やっぱりその人のことを調べるもの。実際、ジロリアン陸さんがテレビに出た時や、クワガタキッズさんがエガちゃんねるに出演した時など、かなりアクセスが伸びました。誰かが検索した時に、ちゃんと情報がまとまった場所があって、そこで訴えかけるものがあれば、活躍できる可能性は広がっていきます。

今は「人のモノ化」が進んだ時代。要は人も商品も同じで、誰かに探されて引っかからないと買われないんです。そのためには、まずはネットに自分の情報をあげないと。自分に会いたいと思った人がいても、ネットに情報がないと会うことが出来ません。だから、「特技を持ったらまずTintRoom」。特技は一つにはくくれないし、どんな特技を誰が求めているか、出してみないとわからない。例えばジロリアン陸さんも、くくるとしたらマジシャンかプロボクサーだけど、でも「ラーメン二郎」も絶対に欠かせない。さらに「元テレビカメラマン」。それをこちらが知っていれば必要な人に繋げることが出来ますよね。

TintRoomが他と違うのは、そうした特技などを独自にリサーチしてタグをつけているところ。実際に現場で会って話した時に「それいいじゃん!それもやろうよ!」と言うことも多いです。「こんなこと、仕事にならないのでは?」と考える人も多いですが、それを決めるのは自分ではなく相手。自分の考えなんて狭いしくだらないもので、絞る必要なんてないんです。そうしたパフォーマーの一人よがりになりがちな部分、自意識過剰になりがちな部分は、どんどん気付くきっかけをつくっていきたいですね!これは、自分が印刷会社の営業から現在のTintRoomに辿りつくまでの経験から来ている部分でもあります。成功したら、もっと説得力のあるいい言葉が言える気がしますけど(笑)。

オンライン発表会も、こうした考えの延長線上にあります。パフォーマー自身が「自分にとって、新しいことって何だろう」を考えて、どんどんアップデートしていってほしいんです。正直なところ、現場で見るパフォーマンス内容が毎回同じパフォーマーも多く、2回目を見たい人がいる?お金を払ってくれる人がいる?と気になってしまう。だから、「パフォーマンスに“プロ”という概念が生まれた時、あなたはプロになれますか?」と問い続けて行きたいと思っています。とどまってほしくないし、とどまったら終わり。新しい扉をあけて、特技を増やしていってほしいですね!その時にはTintRoomを是非使ってもらいたい。自分じゃ行けないような場所、自分じゃとらないような仕事が来たりするチャンスが広がっています。


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加賀見洋平にとって、「パフォーマンス」とは?

パフォーマンスとは「可能性」です。まさにTintRoom。見ている人にも「こういうことをやってみよう!」という可能性を与えるのが、私にとっての良いパフォーマンス。単純に「凄い」以上に魅力的ですよね!


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インタビュアーコメント

“みんなのマネージャー”としてTintRoomを背負って走り回っている加賀見さん。ライターではなかった私に記事の依頼をくださり、さらにコメンテーターという新しい挑戦の機会をくれたのも、他でもない加賀見さんです。加賀見さんのTintRoomにこめた思いがどこまでも広がるよう、微力ながら応援しています!

(Interview&Text:Shiho Nagashima



加賀見洋平 Tint Room

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